「病気の大辞典」サイトの主旨
病気には様々な症状があり、それぞれにそれぞれの原因や治療方法があります。
「病気の大辞典」ではそんな無数に存在する病気の症状・原因・治療方法などを、素人でもわかるように掲載しています。
聞いたことのある病気や、一度も聞いたことのない病気まで、ありとあらゆる病気の知識をまとめています。
食道狭窄の原因には、良性疾患と悪性疾患があります。
良性疾患としては先天性食道狭窄や重度の逆流性食道炎、誤飲(ごいん)や自殺が原因となる腐食性(ふしょくせい)食道炎に伴う瘢痕性(はんこんせい)食道狭窄などがあります。
また、迷走(めいそう)神経系の異常で下部食道噴門(ふんもん)部の弛緩(しかん)不全を呈する食道アカラシアでも、狭窄と通過障害が認められています。
しかし、最も頻度が高いのは悪性腫瘍の食道がんです。
大部分の約95%は、扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんですが、バレット腺がんも増加傾向にあります。
食道がんにおいては、早期がんや表在がんでは無症状のことが多いのですが、進行がんになると食道狭窄を生じ、嚥下(えんげ)困難を来します。
人の食道は、成人で25〜30cmの長さがあります。
頸部(第6頸椎)で喉頭の後ろ側で始まり、胸部では気管支、 大動脈弓などの後ろを通り、横隔膜(食道裂孔)を突き抜けて腹部に至ります。
横隔膜の下(第11胸椎)で胃の噴門と繋がっており、食道には3箇所の生理的狭窄部があります。
咽頭との接合部、気管支の後ろを通る部位、そして横隔膜を抜ける部位で、食物がよくつまるのはこれらの箇所です。
食道の壁は、内腔側から粘膜、外膜、筋層と分けることができ、粘膜は、 口で咀嚼されたとはいえ、形をまだ保ったままの食物が通過することで傷つかないように、 力学的に強い重層扁平上皮で構成されているのです。
粘膜のすぐ下層にある多数の食道腺が粘膜の表面に粘液を分泌することで、食物の通りをよくする働きがあります。